ココナッツオイルの栄養効果

ここではスーパーフードである「ココナッツオイル」の栄養効果について述べています。

 

ココナッツオイルには身体に良い飽和脂肪酸や、高い抗酸化作用をもつビタミンEなどが豊富に含まれており、生活習慣病予防や免疫機能強化、脳機能の改善、認知症・アルツハイマー病予防、抗菌・抗炎症作用といった免疫力効果があるとされています。

 

特に飽和脂肪酸の一つである「中鎖脂肪酸」は消化・吸収のために胆汁酸を必要とせずに、そのまま小腸の細胞に吸収され、門脈を経て直接肝臓へと運ばれるという性質があるといわれています。

 

その中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解されるので、効率の良いエネルギーとして利用されやすく、余計な脂肪が溜まるのを防いで肥満や生活習慣病を予防してくれる効果があるのです。

 

また中鎖脂肪酸の一種である「ラウリン酸」には細菌の働きを抑えたり、免疫力を高める働きがあるとして注目を集めています。元々ラウリン酸は母乳に含まれており、免疫力を持たない赤ちゃんの免疫力を高める働きがあるそうです。

 

さらにココナッツオイルには亜麻仁油やヘンプシードなどに含まれるオメガ3脂肪酸の働きを高める効果があるとされています。

そのほかココナッツオイルの中鎖脂肪酸が作る「ケトン体」は、脳のエネルギー源になる特別な脂肪のことで、糖質制限を行いながらこのケトン体をうまく脳のエネルギー源として利用することで、認知症・アルツハイマー病の予防・改善に高い効果を発揮すると言われています(ケトン体療法)。

 

ココナッツオイルの免疫力効果

 

ココナッツオイルは免疫力を高めていくために最適な食材だといえます。

 

『ココナッツオイル健康法』の著者であるブルース・ファイフ氏は、ココナッツオイルの免疫力を高める効果について以下のように述べています。

 

 私に言わせれば、ココナッツは神が与えた最もすばらしい健康食品であり、日常の食事の一部として食べればさまざまな感染症からまもってくれる。ココナッツやココナッツオイルを食べることで、いろいろな病原菌をある程度は防護できるのだ。ココナッツオイルがあらゆる病気を治癒できるわけではないが、数々の病気を予防に役立つし、免疫系にかかる負荷を減らして、病気に対する体の抵抗力を高める。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』 三木直子 訳 p156)

 

では、なぜココナッツオイルには免疫力を高める働きがあるのでしょうか? その答えはココナッツオイルの主成分である中鎖脂肪酸(MCFA)にあります。中鎖脂肪酸のうちの特にラウリン酸には細菌の働きを抑える抗菌作用や炎症を抑える抗炎症作用があるとされています。そのようなラウリン酸は、免疫力を向上させて感染症を防ぐ働きがあるとして注目を集めています。じつはラウリン酸はもともと母乳に含まれているものであり、免疫力を持たない赤ちゃんの免疫力を高める働きがあるのです。

 

スーパーフードのカリスマ、デイビッド・ウォルフ氏はココナッツオイルをはじめとしたココナッツ製品は、「抗ウイルス、抗真菌、抗菌作用がある飽和脂肪酸を含んでおり、ウイルス、バクテリア、真菌の増殖を抑制するため免疫系にとって重要です」「MCFAは免疫系、甲状腺、神経系、皮膚にとって良い効果をもたらし、速やかにエネルギーを供給します」と述べています(参考『スーパーフード』医道の日本社)。

ココナッツオイル

ココナッツオイルのダイエット効果

 

世界中のモデルやセレブといった人々が愛用しているココナッツオイルはダイエットに効果的であることはよく知られています。

 

では、なぜココナッツオイルがダイエットに効果的なのかといえば、それはココナッツオイルの大半を占めている「中鎖脂肪酸」が代謝を高め、エネルギーに代わりやすく、余計な脂肪になりにくいからです。

 

このココナッツオイルの中鎖脂肪酸がもたらしてくれるダイエット効果について、『ココナッツオイル健康法』のブルース・ファイフ氏は以下のように述べています。

 

(略)ココナッツオイルをとると、体はそれを体脂肪として保存せず、即座にそれをエネルギーに変えるのだ。だから、体脂肪に変換されることなく食べられる量は、ココナッツオイルのほうがほかの油よりもずっと多い。摂取する長鎖脂肪酸を中鎖脂肪酸に替えると、体重増加が抑えられ、脂肪沈着が減少することは、動物や人間を対象とした数々の研究で実証されている。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p173)

 

このようにココナッツオイルを日頃の食生活に採り入れると、エネルギーが燃焼されやすい、痩せやすい体になると考えられますが、勘違いしてはいけないのは、ココナッツオイルを食べていれば、勝手に痩せるということです。

 

ブルース・ファイフ氏も「食事にココナッツオイルを加えるのは、余分な体脂肪を減らす非常に良い方法だ。ただし忘れてはならないのは、ココナッツオイルが代謝を加速させるとしても、食べすぎればやはり体重は増えるということだ」と述べています。

 

ココナッツオイルをダイエットのために食生活に採り入れる場合は、いつもの食べている量のご飯やパンに加えるのではなく、ご飯やパンを食べる量を減らし、代わりにココナッツオイルをエネルギー源として利用すると効果的です。

 

ちなみにココナッツオイルを1日に摂る量は、大さじで3杯程度が理想的だとされています。

ココナッツオイル